◆ 初めての海外旅行 (Jan. 1987)

01. 初めての海外旅行

日曜日, 1月 04, 1987Coyote



私の初めての海外旅行は1987年の1月だった。
当時、高校3年生だった私、クラスメートたちは大学受験に向けてのラストスパートをかけている最中、12月に推薦で進学先が決まっていた私は、一足早く卒業旅行に出かけたのである。

事のきっかけは、友人の1人が観光系の某学校を推薦で入学が決定しており
入学先で知った教授から
「ゼミで企画されたアメリカへの研修旅行があるから、良かったらお友達でも誘って参加してみたら?」
と言われた友人が私を誘ってきたことだった。

子供の頃から、なぜか知らぬ間にアメリカの虜になってしまい、アメリカに関わるものに興味を持っていた私。この旅行の話を聞いてすぐに飛びついたものの、学生の分際では先立つものがない。

進学を控え親には学費、そして卒業までに車の免許を取るための費用をすでに負担してもらうことになっていた。だけど憧れのアメリカに行きたい・・・

親に研修旅行の案内書を見せて

「車の免許は諦めるから、アメリカへ行かせてください。」

とお願いすると、厳格な父の口から出た言葉は

「アメリカがこんなにも好きなら、今のうちに一度アメリカを見てきなさい。
 でも車の免許は春休みの間に取らないと、入学後はなかなかとるチャンスがなくなる。
 アメリカに行かないのなら、免許も取らせない」

と意外な言葉。


父は1970年代に初めてアメリカを訪れた時の感動が忘れられない。それと同時にカルチャーショックを受けたという。だから私には、当時世界でナンバーワンの国アメリカ、その偉大さを肌で感じて来いというのだ。女もこれからはグローバルな視野を求められ、大好きなアメリカを訪れること、それも高校生という多感な時期に行ってみることで、この先に何らかの影響をもたらすのではとの期待もあったらしい。自分の父親でありながら、こういう考えを持つ父を誇りに思ったことを今でも覚えている。



私が生まれたころのドル円は固定相場制で、1ドル=360円
父が初めてアメリカを訪れたときは 1ドル=250円
そして私が初めてアメリカを訪れた1987年は 1ドル=150円の時代だった。

当時、バブルの真っ只中の日本。
何もかもが今では考えられないような価格で、何でも飛ぶように売れる時代。

海外旅行なんかも、まだ格安航空券なんてものは一部の人の間でしか知ることがなく、
殆どの旅行者はツアーで海外に行っていた。バブル景気で海外旅行者の数もどんどん増えていたが、外国語に恐怖心を抱く日本人にはJALなどの日系航空会社で行く、JTBや日本旅行などの大手有名旅行代理店が企画する、食事やオプショナルツアーが全ての行程に含まれているような高額なツアーに参加していた時代だった。


私の旅行の訪問先は、ロサンゼルスに滞在して帰りにハワイに寄ってくるというもの。
当時、同じ行程をJALパックやJTBでも販売していたが、その費用は50万以上!!
今ではとても考えられない金額。

それを私たちは25万円という費用で行ったのだ。

この研修旅行を企画したのはスペイン語専攻のゼミ。
ロサンゼルス滞在中に、サンディエゴやメキシコのティファナなどに行って、
「英語ぐらい話せなきゃ!」という意識を高めようという趣旨の旅行。

ツアーは、ゼミの先生が独自で企画したもので、

  • 航空会社は大韓航空 (金浦空港乗継)
  • ツアーガイド兼ドライバーは先生の古くからの友達
  • 3食の食事代込みの5泊7日の旅行
  • 参加者は12人+先生
  • 現地では自由時間が多く、各自が自分の語学力を駆使しようというもの


というわけで、成田から韓国(当時は金浦空港!)で乗換、一路ロサンゼルスへ。
そして帰りにハワイに2泊して帰ってくるというもの。






この旅行が私にとって、初めての海外旅行。
憧れのアメリカはどんなところだろうか、期待に胸を膨らませ旅立った。




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