◆ 音楽・食を楽しむアメリカ南部 (Sep. 2007) USA - Louisiana

10. ケイジャン・カントリー

木曜日, 8月 30, 2007Coyote


8月30日、この日訪れたLafayette(ラフィエット)はケイジャン・カントリー。

ケイジャンとは17世紀初頭、フランスから新大陸に渡ってきた人たちの子孫。当時身分差別のあったフランスで貧しい農民生活をしていた彼らが本国を飛び出しカナダに渡った。新天地での新しい生活で自由と富を得ようとしていた彼らはその土地をパラダイスという意味の「L'Acadie(ル・アカディー)」と呼び、その住民である自分たちを「Acadian(アケーディアン)」と呼んだ。
(ケイジャンはアケーディアンが訛ったもの) しかし18世紀半ば、その土地がイギリスの植民地となり、フランス語を話しカトリックを信仰していた彼らはカナダを追放されたという。追放され本国に戻っても彼らは既にフランス本国とは別の言語、習慣を持ち合わせフランス人としてもとの暮らしをすることは難しかしく、本国でも受け入れられなかったという。 カナダに残った人たちは虐殺され、生き残った彼等がたどり着いたのが当時スペイン領だったルイジアナに漂着することになる。 農村出身の彼等の先祖。勤勉で働き者、カナダで漁をして過ごしてきた彼らは漁師としてルイジアナに入った。 このアケーディアン(ケイジャン)は、ルイジアナでも決して裕福な暮らしが出来たわけではない。マイノリティーならではの差別もあり、また文化・料理・音楽など独自の文化を持っている彼等。 しかしその一方で黒人や先住民族を受け入れコミュニティーで一緒に生活もしたり、結婚も受け入れられていたという。そのせいかもともと訛りの強かった彼らのフランス語は更に変化し、先祖のフランスのケベック訛りや黒人たちのハイチ訛り先住民の語彙や英語の語彙が混ざり独自の彼等の言葉を形成している。

そんなケイジャンの首都とも言うべき場所がこのラフィエットと言うわけ。

町にはこの苦難の歴史を持ち、民族の帰属意識や誇りが高い彼等に関する見所が点在する。

まずはバーミリオン・ミル。





18~19世紀の彼らの生活や建物を復元したもので、
ケイジャン料理の調理実習やケイジャン音楽のライブも行われる。
残念ながら私が行ったのが平日ということもあってか、
見学者は数人で閑散としていて調理実習なども予約が必要だった。
なんとなく明治村・・・そんな感じの場所。





当時の服装で作業をしている人の姿もあり、学校を復元していた建物の中では
アコーディオンを弾いてケイジャン音楽を聞かせてくれたおじさんもいた。





心地よい音楽を聴かせてくれたあと、彼はケイジャンに関する上記に書いたような
歴史について説明してくれたが、英語にも強い訛りがあって理解するのが難しかった(苦笑)

Vermillionville
300 Fischer Rd
Lafayette, LA
http://www.vermillionville.org


その後に訪れたのも同じようにケイジャンの文化を伝える場所「アケーディアン・ビレッジ」。





こちらは19世紀に建てられた当時の民家や教会を移築したもの。
バーミリオンビルのようなアトラクションは特にないが、
当時の村を再現し、民家の中には様々な展示物がある。展示物からは苦悩の歴史を知り、
当時のつつましい生活を垣間見ることができるが、勤勉で他人に寛容な彼等、
そんな彼等の誇りを同時に知ることもできた。
小川沿いを歩きながらビレッジを見学していると、時間が止まったようなそんな気がする。
湿度も気温も高い日だったが、水があるせいか何とも心地よい風が吹き心休まる・・・
そんな時間だった。


Acadian Village
200 Greenleaf Dr.
Lafayette, LA
http://www.acadianvillage.org


冒頭の旗はアケーディアン(ケイジャン)の旗。赤字の黄色のシンボルは、彼らがルイジアナに到達した際、ルイジアナ州を支配していたスペイン(城)を表し、白地の星はアケーディアンの守護聖人、そして青地の部分の紋章はフランス伝統の百合の紋章を表している。

ちなみにフランスからカナダに渡り迫害を受けたフランス系カナダ人(アカディア)の旗はこちら。



旗の元になっているトリコロールは、彼らの祖国フランスを表し、黄色の星はアケーディアンの星と同様に守護聖人を表している。




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