実はアメリカにも結構天然温泉があるという。
先住民達は昔から温泉や鉱泉の効能に気付いて、聖なる泉として利用されていたと言われる。
１８００年代中ごろまではヨーロッパからの移民や旅行者たちから、
薬事効能を重視されて温泉を日本と同じように湯治場として利用されていたこともあるという。
中にはかつて温泉街として栄えたような町も現存しているし、
湧き出る温泉や鉱泉、冷泉を利用して温泉プールやスパを併設してリゾートとして
利用しているような施設もある。


私が訪れたのはカリフォルニア州にあるシカモア・ミネラル・スプリングスというところ。
ロサンゼルスの北に位置するサンルイスオビスポという町にあるリゾートで、
１８８６年に石油採掘を試みた際に石油ではなく温泉がでてきてしまったことから
始まったといわれる。

２０世紀初めは場所柄、ロサンゼルス－サンフランシスコを旅する人たちの宿場町として、
ハリウッドスター達が短い休暇を過ごすリゾートとして訪れ、
利用者が増えてきたことでオーナーは医師や看護師を揃えてみた。
すると遠くからも湯治場として薬事効能を期待してやってくる利用者が増えたという。
チャップリンもここを湯治場として利用した人のひとりだという。



今はマッサージ、ハーブ、アロマなどを利用したセラピーやトリートメントの
メニューを用意するスパ・リゾートになっており、日帰り温泉施設もあり
１時間単位でグループや家族などで利用されている様子。
もちろん宿泊施設も完備。





このリゾートはサンルイスオビスポの市内からかなり山奥に入ったところにある。
施設の近くは硫黄の匂いがプンプン漂い、日本の温泉街に到着したときと
同じような気分にさせられる。
宿泊施設は広大な敷地にロッジのようなスタイルでいくつもの棟に別れ、
本館でチェックインをした後、自分の部屋の前まで車で移動。


ここはロサンゼルスとサンフランシスコの中間に位置することもあって、
在米の日本人にも大人気の場所でもあり、週末ともなると日本人やアジア人で
予約がいっぱいになるとか・・・
私が訪れた際にも、駐車場などで日本語が聞こえてきた。



日本人に人気の理由は、アメリカでも温泉に入れるからということもあるのだろうが、
一番の魅力は部屋に温泉が引かれ、日本の温泉旅館のように
裸でのんびり湯船に浸かれることではないだろうか。（一部の部屋には温泉はなし）

その湯船は部屋のベランダにあり、ベランダの外からは見えないよう
しっかり囲いがされており、夜空を眺めながらゆったりと温泉に浸かれ、
露天風呂の気分を味わえる！


ただし・・・



湯船といってもコレ！！
ヒノキのお風呂なんかだったら情緒あるんだけど、ここはアメリカ。
そこまでは求められないし、これだけでも十分か！？
ベランダにありジャグジーがついているせいもあって周りのお部屋への迷惑から
夜遅くから朝の利用は控えるようにとのこと。

ちょうど天気が良い日ということもあって、星も月も温泉に浸かりながら
ゆっくりと眺められ、ついでに夜桜も楽しむことができた。
バスタブがコレでなければ、アメリカにいることを忘れてしまいそうな一瞬だった。










Sycamore Mineral Springs Resort
1215 Avila Beach Dr
San Luis Obispo, CA 93405
United States
805-595-7302
http://www.sycamoresprings.com