ボストンを訪れた時、北米東海岸は荒れ模様の天気だった。
Harricane Kyle(ハリケーン・カイル)がカナダの東海岸に接近している影響だった。
ハリケーンといえば通常はもっと南側で発生するもの。
このエリアに発生するのは珍しい。
日本からボストンに入る場合、American Airlineだったら ORD(シカゴ)か
JFK(ニューヨーク)経由が無難な選択だろうが、一番早くボストンに到着できる
DFW(ダラス)経由でのフライトを選んだ。
時間はかかるものの夕方に到着できる上、遠回りした分マイルも貯まる!
9月の後半のこの時期、アメリカを旅する際に気になるのが天気。
ハリケーンが南部で発生しやすいためにDFW経由でボストンに
行くことにためらいはありながらもスケジュールの都合で
結局はこのフライトを選ばざるを得なかった。
一応気象情報には注意をしており、日本を発つ時からダラスを含め
ハリケーン情報に耳を傾けていたが、カナダの東海岸でハリケーンが発生するなんて
考えてもおらず、DFWに着いたときもボストンが雨だとわかっても
もともと雨の多い地域だけに心配などしていなかった。
ハリケーンが発生していることを知ったのはDFWからBOS行きの飛行機に乗ったときだった。
「本日ハリケーン・カイルの影響でボストン上空で多少の揺れが生じるかもしれません」
一瞬耳を疑った。ハリケーンの影響でボストン上空??
私の英語力なんか大したことがないために、聞き間違えたかと思いそばにいた
乗客に聞いてみた。
「ハリケーンがなんでボストン上空に影響してるんですか?」
すると新聞を見せてくれた。確かにカナダ東海岸にハリケーンが接近・・・
このエリアである程度の規模のハリケーンが発生するのは18年ぶりとのこと。
アメリカのメイン州北部からカナダの Nova Scotia や New Brunswick 辺りが
影響を受けているとの話。ボストンは多少雨脚が強くなる程度だから心配ないとのこと。
DFWは快晴だったが北上するにつれ次第に天気が崩れていった。
ボストン上空で少しずつ揺れが激しくなった。
飛行機が小さい分揺れを感じる。
着陸を試みるがうまくいかないのか何度かやり直し。
その後機内アナウンスで管制塔からの着陸許可が下りないことが知らされた。
次の着陸は10分後とのことで、それまでトイレを我慢していた人たちが競ってトイレに駆け込む。
私もコーヒーを飲みすぎてしまったせいかトイレに駆け込む。
トイレの入り口でアテンダントに一応入っても良いか訪ねると
「今のうちよ!」
そう答えが返ってきた。
しかし・・・・
用を足していると突然機体が急降下!!
シートベルトもない上、なんたって最中の出来事。
G(gravity)がかかり便座から落ちそうになるものの踏ん張るしかない。
今更座席に戻ることもできずにそのままトイレで着陸するのを待った。
ドスンという音と共に機体が大きく衝撃を受けて無事に着陸をした。
着陸したと同時にトイレから出るが、乗客は指示があるまで座席でそのまま待機。
そんな中トイレから出て自分の席に戻る私は注目の的であることに間違いなかった。
「おかえり~」
「無事だった?」
「ちゃんと最後まで用を足せた?」
いつも乗り降りの混雑を避けるために前方の席を予約するが、このときほどトイレから自分の座席までの距離が長く感じたことはなかった。
(教訓)
着陸前に限らずトイレは早め早めに行くのが肝心。
そして着陸時はきちんと自分の席に座ってシートベルトを締めていなければいけません。
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