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私たちが乗ったヴィーンダムは5.7万トンの中型船、乗客も1300人程度だから、
1週間もするとゲストやクルー、スタッフとも顔馴染みになり、船内が一層賑やかになる。
クルーズではいろんな出会いがあり、同じツアーに参加した人、朝食やアフタヌーンティーで
相席になった人、船内イベントで一緒になった人・・・
そのほかに行動パターンが一緒なのか、何度も顔を合わせるうちに親しくなった人。
そんな人たちと船内で会えば「今日は何してたの?」とお決まりの挨拶から始まり
軽くおしゃべりをしている光景をよく目にする。
新しい人との出会いを楽しみにクルーズに参加するゲストも多いだろう。
私の両親は英語が話せないが周りのフレンドリーな雰囲気に勢いづいてか、
コテコテの日本語アクセントで会う人に「グッド モーニング」「ハロー」と声をかけていた。
またクルーの中には日本語で挨拶程度できる人たちが両親を見つけては
「お父さん、おはよう」「お母さん、こんにちは」と声をかけてくれたりしていたが、
やはり言葉が通じないことで寂しい思いをしていた様子。
しかしクルーズが始まって1週間ほどたった頃、父が突然「友達ができた」と
嬉しそうな顔で報告してきた。
どうやらサウナで日本語で話しかけてきた男性がいたらしい。
日本語は片言程度だが聞きとりはできる様子で、英語と日本語を交えながら
おしゃべりをしたという。
それから毎日、父はこの男性と夕方5時にサウナで待ち合わせするようになった。
父のお友達になったルイスさんは平野レミさんの従弟。
奥様のローラさんは国学院大学で英語を教えていたこともある方。
お互いの家族を紹介しようと、ディナーの前にバーで待ち合わせ。
お二人とも大の日本好きで日本つながりで結婚されたそう。
奥様のポーラさんはクルーズ中母と親しくしてくれていた。
父はルイスさんとの出会いで調子に乗って(笑)いつの間にかロシア人や
オーストラリア人のお友達ができたらしいが、どうやってコミュニケーションを取っていたのか不明。
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こちらはシンガポールからクルーズに参加していたケニスさんとへディさんご夫妻。
クルーズ初日のディナーの後、数少ないアジア人同士仲良くしましょう!と声をかけてくださり、
言葉が通じない両親にも「言葉なんて関係ない、僕の名前はハンサムと覚えればいい」
なんて冗談を飛ばしながら、クルーズ中親しくさせていただいた。
未だにメールやチャットをしている。
そして一番親しくさせていただいたのが、スペイン人の2組のご夫婦。
奥様同士が姉妹で、ディナーのドレスアップに時間がかかるそうで、
ご主人たちは毎日6時半になるとスパに現れる。私とはスパ友達の殿方たち。
偶然ディナーのテーブルがお隣同士で英語が全く話せないスペイン人4人組、
英語がわからない両親、スペイン語がわからない私と言葉が通じないもの同士なぜか意気投合。
毎晩ダイニングルームに行くのが楽しみに・・・
これをきっかけにスペイン語の挨拶を覚えた両親。
「ブエノス・ノチェス」「オーラ」と声をかけると、翌日には先方も「こんばんは」「さよなら」
「ありがとう」と日本語を覚えてきて・・・
ディナーを終えるとお互い似た発音の「明日」「Hasta」と声を掛け合った。
言葉が通じればきっともっと楽しい出会いがあったかもしれないけれど、
言葉が通じないからこそ見つけられた素敵な出会い。
彼らのおかげで私たちのクルーズが楽しいものになったし、
貴重な思い出ができたのは言うまでもない。やはり人との出会いは偶然であり必然なのかな?
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