★Cruise - HAL/Veendam (2009) Guatemala

26. グアテマラの子供達

土曜日, 11月 07, 2009Coyote




前日の11月6日にメキシコを出発したころから船は大きく揺れ始めた。
ちょうどカリブ海側のガテマラ沖でハリケーンが発生していた影響で雨も降り風も強く、
デッキへ出ることが制限されていた。
船のスピードを落として航行するためにグアテマラへの到着が1時間ほど遅れると
キャプテンからのアナウンス。幸いにも荒天は航海中だけで済み、
グァテマラに着いたころには曇ってはいたものの雨はあがっていた。
プエルト・ケツァールのポート・ターミナルは南国ムードたっぷりのわらぶき屋根?
だったが、気温も低く太陽が出ていなかったせいでムード半減。


ターミナル内はいくつもの旅行社がブースを置き、クルーズ客はその場でツアーに申し込むことができる。
私達も船をGo With Gusのブースへとターミナルに向かおうとすると、



「コヨーテ!!あなたコヨーテよね!?」

駆け寄って来た女性がいた。
優しい笑顔で声を掛けてきたその女性はGusさんの奥様のIracemaさんだった。

「グアテマラにようこそ!遠いところからお疲れ様。ご両親は時差や旅で疲れてない?」

そう言いながらBig Hugで私を迎えてくれた。するとその後ろから

「コヨーテ、ようこそ!会えるのを楽しみにしていたよ」

とGusさんが登場。



この日Gusさんは私用のためにガイドはできないと言っていたが、挨拶だけでもしたいからと
時間を作ってわざわざ迎えに来てくれた。
しかも子供達の学校だけのガイドだけはする、その後当日予約の客のツアーが
始まる前に連れて行ってくれ、そこからはそのツアーと合流してくれという。
思いがけないサプライズ♪


Gusさんがマヤ系の子供達の学校訪問するにはワケがある。
彼はツアー客を連れて訪問する際に文房具やお菓子など寄付をしているのだ。

グアテマラは貧富の差が激しく、学校に行けない子供も多く、
識字率も70%に満たないほどだという。彼がこの訪問を始めたころは、
校舎もノートもペンもないような学校が多かったという。
Gusさんのこのような活動を知ってツアーに参加する人の中には何かしらの寄付を
持って行く人たちもいるようだが、Gusさんは決してツアー客に寄付を強制したりはしない。
グアテマラの子供達を見て欲しい、グアテマラの現状を見て欲しい、
そこで何か感じてくれればこのツアーに意味があると言う。




コヨーテ・ファミリーとGusさんを乗せたバンは港近くの学校へ向かった。
途中の川には、使われていない船がいくつも廃船処理されないまま川に沈みかけている。
廃船の費用がないという。





商店街と思われるような場所も、どこもみな同じような何でも売っているようなゼネラルストア。





隣同士で同じようなお店があるが、商売は成り立ってるのか疑問。




どのお店にも、日用雑貨から食べ物・飲み物なんでも売っている様子。


学校に着いたと言われたどり着いたのはトタンで屋根と壁が出来ただけのような小さな建物。




この日は土曜日で学校は休みだが、私たちが訪れるということで先生と生徒、
親が集まってくれていた。Gusさんが私たちを紹介してくれるとはにかみながら手を振ってくれる。

寄付は特に持ってくる必要がないよと言われていたが、寄付と言うよりもお土産代わりに、
私は日本からばら撒き用の駄菓子のようなものを持っていき子供達に配った。




お菓子を配っている間でも、誰一人たかってくるような子も親もいない。
人にあげたものを欲しがる子もいない。大人しくベンチに座って待っているだけ。
お菓子をもらうとお母さんも子供も「ありがとう!」とまたはにかみながら、
そしてあげたお菓子を口にした子は恥ずかしそうに笑ってお礼を伝えてくる。




子供達と記念撮影をするが、カメラを向けるとみな緊張するのか笑顔が少ない。
それまではみなニコニコ笑っているのに・・・(残念)

Gusさんは

「グアテマラは貧しい国かもしれないけれど、人々は皆温かくHappy Personばかりなんだよ」

と言う。
人見知りなのか子供達もお母さん達もニコニコという感じではなかったが、学校を去る際、
お母さん達は私に近寄って握手を求めお礼を伝えてくれる。
子供達は私の足元に抱きついて「バイバイ」と・・・ 

他のツアー客が待っているからと、私達はまた来た道を引き返していると、
道端のあちこちでこの写真のような光景が見られる。




週末になると自宅前でトルティーヤを焼いているんだとGusさんは教えてくれ、
車を止めてトルティーヤを買ってきてくれた。車の中で熱々のトルティーヤを頂く。
何もつけなくてもとても香ばしくて美味しかった。


今はまだ経済・国情・治安が安定していないグアテマラだけど、こ
の日会った子供達が大きくなる頃には安定した生活が送れるといいのにと
願わずにはいられない。
寄付をするしないに関係なく、旅行先でこういう現地の生活を見ることは私にとって
貴重な経験だった。




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