◆ 音楽・食を楽しむアメリカ南部 (Sep. 2007) USA - Tennessee

35. ナッシュビルは遠かった・・・

水曜日, 9月 05, 2007Coyote


9月6日、私と母はカントリーミュージックの聖地、ナッシュビルに向う。

本来は朝早くメンフィスを発って昼過ぎにはナッシュビルに着けるように・・・
と思っていたが公民権運動博物館に寄り、キング牧師のスピーチに酔いしれ、
公民権運動の歴史を学び?そしてキング牧師の死に涙をしているうちに
あっという間に昼近くになってしまった。

ナッシュビルまでは40号線をひたすら真っ直ぐ。
距離にして350キロほどだろうか?まあ、車で4時間ぐらいで着けるだろうと思っていた私。

1時間ほど走ったころ、フリーウェイが段々と混んできた。
別にラッシュ時間でもないし、そんなに交通量が多いエリアでもなさそうなのに・・・
車は渋滞し始め、終いにはブレーキをかけて止まってしまうくらい。

もしかして事故??

周りの車の中には痺れを切らして、中央分離帯の役目になっている?原っぱを無理やり横断し
対向車線で戻る車もいるくらい。地図で次のEXITを調べるがかなり距離がある感じ。

暢気な私と母は

「事故に巻き込まれなかっただけ良かったね~~。旅行で警察のお世話になるのは御免よね」

そう言って渋滞を楽しんでいた。
気分はすでにナッシュビル♪
ラジオをカントリーミュージック・ステーションに合わせて最新ヒット曲を聴いて盛り上がる。


隣の車を見ると、ランチボックスらしきものからサンドイッチを取り出して食べるドカタの兄ちゃん。
携帯で忙しそうに電話を掛け捲るビジネスマン。
ずっと楽しそうにお喋りするオバチャマ。
携帯からテキストメッセージを送り続ける女の子。


私と母は、車に積んでいたビーフジャーキーやドライフルーツ、
キャンディーバーを食べながら、母は日本にいる父や友人にメールをし始め、
私もアメリカの友人にメールや電話をしていた(笑)


途中で事故処理用の車やら警察の車なんかが路肩を走。


やっと車が動き出した・・・
すでに1時間半は発っていた(苦笑)





2車線の道路の片側が封鎖されている割に事故車らしきものも、事故の痕跡も見当たらない・・・


やっと事故現場と思わしきところを通り過ぎると




路肩から外れたところにこんなトレーラーが・・・
そしてこの荷台に積まれていたと思われるものが道路にいくつか残っている・・・

どうやら事故というよりも、このトレーラーの荷物が道路に散乱し道が封鎖されていたようだった。
怪我人も出ていない様子だし、巻き込まれた車もない様子。



「アメリカに来て初めての渋滞だったね~~!!」

と何を勘違いしたのか喜んでいる母。
確かに南部旅行の間には、下手すればすれ違う車さえないような場所もあったからなぁ。


スムーズに走り出し、ラジオから流れるカントリーを口ずさみながらドライブ再開。


しばらく走ると目の前に大きなトレーラーが・・・
それも危険物を積んでいるようなトレーラーがフラフラ~~
抜かそうとすれば追い越し車線にフラ~と、スピードも安定しない。
居眠りか??


こういう車は早いうちにタイミングを計って追い抜くほうが懸命だ。

制限速度をしっかり守ってドライブをしていた私だが、この車だけは早いうちに抜かしたい。
75マイル制限のところをちょっとだけアクセルを踏んでこの車を追い抜かした。


怪しいトレーラーを抜かして安心したところでバックミラーを見ると



すごい勢いで私の後ろに近づいてきた車が・・・


ヘッドライトをつけて、屋根には回転灯をつけて、私の車めがけてパッシング・・・


「もしかして私!?」

「いやいや、まさかね~~(苦笑)」


とりあえず追い越し車線から走行車線に車線を変更させるとパトカーも同じく車線を変更。

「やっぱり私か??」

ウインカーを右に出し、路肩に車を寄せようとすると同じくスピードを落としながら
路肩に寄せるパトカー。

「こりゃあ完璧私だ~~」


母に一応「手を膝の上に乗せてじっとしておいてね」とお願いし、
自分はアメリカ・ドライブ・ガイドなんかに載っている通り、
10時10分の形でハンドルに手をやった。


シェリフが近づいて来て窓を開けた。
白人の若いシェリフひとり。


「スピード違反だ!何マイル出していたと思う?」

「前のトレーラーを抜くために一瞬だけ80マイル出しました。
それまではオートクルーズで75以下にセットして走っていましたから絶対にあり得ません。」

「そんなことない!ずっと見ていたんだ。90以上でずっと走っていたじゃないか!」

「一瞬80出したのは認めます。ずっと見ていたなら前のトレーラーが危ない運転していたのも
見てたんじゃないですか?あのトレーラーを抜かすためにスピードを出しました」


「とにかく免許証を出せ!」



傲慢で高圧的な口調。


国際免許証とパスポートを提示すると



「免許証を出せって言ってるんだよ!!」

「これが国際免許証です」

「バカいってるんじゃねーよ!免許証っていうのはコレくらいのカードサイズのものを言うんだ」

「失礼しました。でしたらこちらが免許証です」



そう言って日本の免許証を差し出した。




「こんなのは免許証として通用しないんだよ。
誰がこんなワケわからない字を読めるっていうのか!」


「ですから、こちらに国際免許証この翻訳代わりにあるんですよ。
ちゃんとInternational Driving Permitって書いてありますよね」


国際免許証は最後のページの折込部分に個人情報が載っているにも関わらず
それを見ようともしないシェリフ。

「どこにもお前の情報がないじゃないか!こんなものが通用すると思ってるのか!!」

自分の情報が載っているページを差し出し、パスポートも見せるが

「こんなものでアメリカを運転できると思ってるのか?」




馬鹿じゃない?ただの田舎者なんじゃない?
キレそうになるけれど一応相手は若造といえどもシェリフ。


「でしたら念のため、この国際免許証に書かれている内容をしっかり読んでいただけます?」

フムフム・・・と読んでいるフリをするが、納得がいかない様子。



「なんで日本人がここにいるんだ?」

「母と一緒に旅行してます」

「ここで何をしてるんだ?」

「南部を車で周遊してて、これからメンフィスからナッシュビルに向うことろです」

「この車はどこで手に入れた?」

「ニューオリンズのハーツでレンタルしました。これが証明書です」

「ニューオリンズで借りたのに、なんで車のナンバーがミズーリーなんだ!!」

「それはハーツに聞いてください」

「とにかく免許なしで車を運転して(だから免許あるって言ってんだろ!!)
しかもスピード違反するとはどういうつもりだ!!」


「だったらまずこの免許が有効か、そしてこの車がちゃんとハーツから借りたものか
調べてみてください。私個人に関してはパスポートを照合するなり
大使館に連絡してくださって結構です」


とにかく高圧的、傲慢、人の話を聞かないシェリフ。

このシェリフはパトカーに戻って何やら照合している。





あまりに時間がかかっていたために、こっそり記念撮影!!(笑)


シェリフは私の車に戻ってくるなり、何事もなかったかのように
預けた免許証やパスポートを返してきた。

「とにかくスピードだけは気をつけろ!」


捨てゼリフのようにそう言い放ち、幸いにもお咎めナシだった。


ナッシュビルでこのことを地元の人に話すとこういう答えが返ってきた。



「この40号はスピード違反の取締りが厳しいんだよ。

 あとね、残念なことにこのテネシーにはまだまだよそ者を受け入れたくない輩がいるんだ。

 そのシェリフは他州ナンバーの車だってことで君の車に目をつけて因縁をつけただけだね。

 まして運転していたのがアジアの女性だからね。まだまだそういう輩がいる土地なんだよ。

 やっぱりここはまだ南部なんだよ」


実際にほんの一瞬スピード違反をしたのは事実。

お咎めなかったのは、国際免許証だったせいかもしれない。

でも対応はかなり高圧的で、私は何度もキレそうになった。
やっぱり地元の人が言うように、まだまだよそ者を受け入れない排他的なところや
人種で人を区別する人が存在するエリアなのかもしれない。
(これは南部だけでなくアメリカどこでも言えることだけど)




海外ドライブ旅行関連の人気ブログの検索は にほんブログ村 旅行ブログ 車旅(海外ドライブ)へ からどうぞ!

You Might Also Like

0 コメント

subscribe and follow

Instagram Photos

連絡フォーム