メンフィスに滞在しているにも関わらず、急に思い立ってアーカンソーに向かう。
目指すはアーカンソーの州都・リトルロック。

クリントン元大統領やマッカーサー元帥の故郷でもあるリトルロック。
別に彼らの熱狂的なファンというわけでないよ～！
実はこのリトルロックに以前から行ってみたい場所があった。

それは
『セントラル・ハイスクール』

開校は１９２７年のこの高校。
公立の高校なんだけど、開校当時はニューヨークタイムス紙では「全米一高価な学校建築」と
紹介され（建築費$1,500,000！）、建築家の間でも「全米一美しい高校」と評価された高校。

そんなにスゴイ建築物なら一度目にしてみたい！！と・・・

メンフィスからミシシッピ川を渡るとすぐにアーカンソー州

メンフィスからリトルロックまでは約２００キロ。
車で２時間ぐらいといったところだろうか？
メンフィスを出たのが昼過ぎの２時近く。

日本の感覚だったら、２００キロも離れた場所まで「急に思い立ったから」行くのは
珍しいだろうししかも午後から日帰りなんて相当な事情がない限りしないだろうな～。
（２００キロといえば東京から静岡ぐらいだもんね）

でもアメリカだと不思議と２００キロぐらいなら「行ってみちゃおうか～」という気分になってしまう。
旅行で訪れているってこともあるだろうし、道が空いているし道路も無料だから・・・っていうのも
大きな要因かな？

テネシーからアーカンソーに車を走らせていると車窓から見える景色は田園地帯。
のどかな景色にのんびり車を走らせ、ラジオはカントリーミュージックのチャンネルを合わせる。
リトルロックまでは１本道。車も少なくス～イスイ！
夜までにメンフィスに戻ればいいや～と暢気に構えていたら・・・

遥かかなたに真っ黒な雨雲が・・・
遠くからもそのエリアに雨が振っているのがわかるくらい。

そういえば朝の天気予報でこのエリアが雷を伴う局地的な雨の予報がでていた。

雨のエリアに入るとそこは視界をさえぐほどの激しい雨。
ワイパー最速でも追いつかない。
それまで１２０キロほどのスピードで車を運転していたけれど、
ある程度の車間距離をとりながらも、前方の車のテールランプがしっかり見えるようキープし
ゆっくりと車を走らせる。

中には路肩に車を停めている人も多くいたが、ゆっくりと車を走らせ
なんとか集中豪雨エリアを通過。

無事リトルロックに到着したのが午後４時。

セントラル・ハイスクールに到着するとちょうど下校時間ともあって
学校の周りはスゴイ数のスクールバスと、お迎えの父兄の車で大混雑！

校舎の前に立ってみると、それはそれは噂どおりの素晴らしい校舎！

日本人の私の感覚ではこれが公立高校とは思えないほどの豪華さ。
校舎全体を１枚の写真にはおさめきれず、ついつい３枚に分けて撮影。

でもね、この豪華な校舎を見たいだけにここに来たんじゃないんだ。

実はこの学校、アメリカの公民権運動の歴史の中でとっても重要なことが起きた場所。
まだまだ差別は残っているけれど、昔の差別はこんなものではなかっただろう。
謂れのない差別、生まれてきたときの肌の色だけで人権さえなかった時代。
キング牧師をはじめ多くの運動家たちが平等を訴え活動をしてきた。

その活動は決して簡単なものではなかっただろう。

このセントラル・ハイスクールでも公民権運動の歴史の中でも重要な出来事があった場所。
その出来事をもっと詳しく知りたく私はここを訪れたのだ・・・