ナッチェス・パークウェイを降りてポート・ギブソンという町に向かった。
この町の近くにあるウィンザー・プランテーションに寄ってみたかったのだ。

１８５９年から２年の歳月をかけて作られたお屋敷。
ギリシャ神殿風の建物で２５以上もの部屋を持ち、
当時では珍しく屋根にタンクを設けて屋敷内に水を供給するシステムまで備え、
屋上には天文台まであったという豪邸。
当時、この屋敷の建設には１７５，０００ドルもの費用がかかったらしい。
現在の価格にして３５０万ドル、日本円で４億円程度かな？

当時はこんな姿だったみたい。

しかしこのお屋敷には実は悲しい歴史がある。

お屋敷ができた１９６１年、このオーナーはなんとお屋敷ができた２、３週間後に
３４歳という若さで亡くなってしまった。
その後、この屋敷は南北戦争で連合軍に使用され、屋上の天文台は監視に使用されたり、
ポートギブソンの戦いでは病院として利用されたこともあったり。
戦後は地域の集会場としても利用されたり、あのマーク・トゥウェインもこの屋敷に宿泊し
天文台からミシシッピ川を観察したとも言われている。
そして１８９０年の２月、この屋敷に宿泊していた客の火のついたタバコか葉巻が
大工が残していた大量の木のチップの上に落ちてしまったという。
一説には、チップに火のついたタバコか葉巻を投げ込んだ・・・というものもあるんだけど。
いずれにせよ、そのタバコの火が原因でこのお屋敷は瞬く間に燃えてしまったのだ。

で、現在の姿はこんな状態。

この見事な柱からこの屋敷の豪華さ、大きさを伺い知ることができる。
（写真に人が写っているから、その大きさもわかるでしょ？）

実はこのお屋敷、以前見た映画「Ghosts of Mississippi」に出てきたんだよね。
その時にこの場所がとっても気になって、ずっと場所と名前を探していたんだけど
今回の旅行直前に場所を見つけられ、そこが旅行のルート近くってことで行くことが出来たわけ。

初めは単なる南北戦争の爪あとぐらいに思っていたけど、こんな歴史があったと思うと
また違った寂しさを感じちゃった。

この町を後にして、私たちは給油と食事を兼ねて１００キロほど先にあるミシシッピ州の州都の
ジャクソンに行こうと・・・

まずジャクソンの州議事堂をめがけてドライブ。

立派な州議事堂♪

しかしアメリカの都市部によくある通り、都市部のダウンタウンはちょっと危険な香りが・・・
ドライブしていても人気が全くなく、「肉が食べたい！」とRIBが食べれるレストランを探しても
お店はどこもClose。ダウンタウン周辺の住宅街らしきところも

このように人が住んでいないと思われる家や

ここまで荒れてしまっている家ばかり・・・
もちろん走っている車も乗っている人たちからも、そのエリアの治安が把握できるかのよう・・・

ナビを頼りに早くこのエリアから脱出してフリーウェイに乗ろうと思うのに
こういうときに限ってナビが裏道や安全なエリアをナビゲートしてくれないのよね（汗）

ガソリンもかろうじてまだ大丈夫。
とりあえずフリーウェイに乗って、昼食もフリーウェイのジャンクションあたりの
ファーストフードで済ませたほうが無難だということで、母のリクエストでバーガーキング！

運よくガスステーションとバーガーキングが併設されているところを発見！
しかもガスステーションは警察御用達なのかパトカーが何台も給油していて
「警察が立ち寄るならきっと安心ね！」
と母とホッとしたのであった・・・

でも、バーガーキングの店内に入るとお店の中は黒人だけ。
店員もお客さんも・・・
私たちがお店に入るや否や一斉にみんなの視線が・・・
しかも誰一人笑顔を向けてくれる人はいない。
瞬時に頭の先からつま先までチェックされているのがわかる。

母はこんな状況に凍りついた・・・まさにそんな感じで固まってしまった。
そこで私まで固まったら余計に母を不安にさせてしまう。

私は緊張と不安を隠し、引きつった笑顔で

ノー天気を装い大声で言いながらカウンターに向かった（笑）

いやーー、マジで怖かったよ。
基本的に人種で人を差別/区別することはないけど、
きっと私の中のどこか「黒人＝怖い」「黒人＝危険」って先入観もあったかもしれない。

でも私が明るく振舞ったせいか、その後は店員さんもお客さんもぎこちなかったけれど
明るく接してくれた。きっと彼等の方が警戒していただけなのかもしれない。
日本でも田舎に行くとまだまだ「よそ者」を警戒する土地ってあるもんね。
それと同じ感じなのかな？？

お店を出るときには、店員さんもお客さんも
「Have A Safe Trip! Enjoy!!」
って笑顔で送り出してくれてホッと一安心。

そして私たちはお腹も車もお腹一杯になったところで、更にディープなエリアである
ミシシッピ・デルタ地域に向かった・・・