友人の結婚式で訪れたアトランタ。
夜中２時までパーティーに参加していた私ですが、翌日は早起きして母と市内観光！

母に「どこに行きたい？」と聞いてみると真っ先に言ったのが

「キング牧師のお墓」

南部を旅行して公民権運動の歴史に触れることで、母も何かを感じたようす。
それまではキング牧師って誰？ぐらいの感覚だったのに、今回の旅行ですっかりキング牧師のファンになってしまった母。


目指すは国立キング牧師歴史区

キング牧師が育ったエリアはSweet Auburnと呼ばれ、国の歴史区として指定されている。

このエリアは今でも黒人が多く住むエリアで、場所に寄っては治安が
良くないエリアもあるとのこと。

キング牧師が育ったころももちろん黒人だけが住むエリアだったという。
黒人がここでコミュニティーを形成し、黒人専用のお店、黒人の銀行、黒人の教会、
黒人の弁護士・・・すべてがここでカバーできるようになっていたという。

キング牧師の家庭は比較的裕福で、牧師の父と教師であった母の間で育った。
まずはビジターセンター

キング牧師の軌跡、彼に関する資料に、公民権運動の資料が多く展示され、
テーマごとに儲けられたブースにはビデオが流されていて、見ごたえたっぷり。
ただし全て英語なので、母も私もチンプンカンプン？？

しかし、母も私もここまでの南部旅行で、リトルロックのセントラル高校や
メンフィスの公民権博物館を訪れ、英語が理解できないなりにもキング牧師について
少しは学べたせいか、彼の功績、それまでの苦しみ、酷い扱い・・・
理解した気分で展示物を見て回った。

メンフィスで暗殺されたあと、彼の遺体はアトランタに戻され
告別式はこのリヤカーのようなものに乗せられ、
ロバ２頭に引かれてゆっくりとアトランタの町を回ったといわれている。
この粗末なリヤカーみたいなものは、当時キング牧師がやっていた
貧しい人たちへのキャンペーンに模されていたものらしい。
参列者は行進とともに膨れ上がり、最終的には50,000人とも100,000人とも言われる人が
いたと言われている。

エベザニー・バプティスト教会
ゴシック復古調の教会で、キング牧師の父親が１９３１年から１９７５年まで牧師として勤め、
キング牧師も５歳の頃からこの教会に通い、１７歳になったときには父親とこの教会で伝道を
していたといわれている。

現在は、この写真の教会がエベザニー・バプティスト教会として利用されている。
訪れたこの日は日曜日。礼拝に来た人たちで教会前は溢れていた。
それぞれみなフォーマルな衣装に身を包んでいる。
ここの教会は場所柄、歴史柄黒人の教会。小さな子供たちもスーツやドレスに身を包み、
女性は大きなツバのある帽子、そして原色のドレス。男性はスーツ・・・
映画で観るような光景だった。

こちらが１９６８年に亡くなったキング牧師のお墓。
１９７７年にこの地にお墓が移されたそう。
墓石にはFree At Last. Free At Last. Thank God Almighty I'm Free At Last
彼の演説のワンフレーズ。

隣には２００６年に亡くなったロレッタ婦人が眠っています。

私も母もただ黙って、しばらくはこの場所から動けなかった・・・

こちらがキング牧師の生家。中も見学できるようだけど、ツアーに参加が必要。
私たちは外観を見るだけだったが、このとき教会のほうから男性が２人やってきた。
このエリアのことを若い男性になにやら説明している。

この写真に写っている後姿がその若い男性なんだけど、聖書を持っているところ、
話の様子からするとこの教区に新しく入ってきた神職者かなにかの様子。
若く優しい顔をしていたけれど、目がとても鋭く、キング牧師の目と
オーバーラップしてしまったのは母も同じだった。

キング牧師の生まれ育ったこの一角は当時のまま保存されている。
治安の悪いエリアにあることもあってか、常にパトロールがされているという。