カナダというと公用語は英語、カナダ人の英語は一番綺麗、カナダ人の英語は聞き取りやすい、
そんな話をよく耳にする。
これが日本人がイメージする典型的なカナダ人(Typical Canadian)かもしれない。
しかしそんなのはステレオタイプで、カナダ人みんながそうではない・・・
ということをケベック州を訪れてつくづく感じた。
街を歩いていても聞こえるのはフランス語、目に入る文字もフランス語。
ケベック州はカナダであってカナダじゃない・・・そんな気さえした。
それもそのはず、ケベック州はカナダで唯一公用語がフランス語と定めらている州。
ちなみにニューブランズウィック州では英語とフランス語の2つの言語が公用語と定められている。
ケベック州がフランス語圏であることはこの土地の歴史に影響する。
フランス人が入植し街を形成した後、1760年イギリス軍に占領されるまでは
フランス領であったこの土地。
その後、イギリスの占領下でフランス系の人々は弾圧にあい、差別も受けていくことになる。
人口の8割がフランス系というのにも関わらず、フランス系カナダ人よりも
イギリス系カナダ人のほうが地位が高く、フランス系の人々は高い教育も受けられず、
収入の良い職種にもつけなかったとも言われている。
しかし1950年代からフランス系の人たちの地位を高めようと改革が始まった。
その活動が今やケベック州のカナダからの独立を訴えるまでに至っている。
70年代には分離独立を求める過激派によるテロやら政治家の誘拐事件などまでおきた。
こんな歴史を持つケベック州。
モントリオールの街中でも未だにその歴史を改めて感じさせられる。
現在はいろんな人種が世界中から集まるような大都市だけにフランス系の人の割合は
定かではないが、人口の8割は主にフランス語を話すという。
大学もマギル大学などは英語で教育をし、モントリオール大学はフランス語。
ダウンタウンにあるマギル大学周辺はイギリス風の建物が多いのに対し、
オールド・モントリオールやダウンタウンの東エリアはフランス色が強くなっている。
街の中でも英語圏・フランス語圏のエリアがはっきり分かれている。
フランス語圏のケベックの人はフランス語と英語のバイリンガルと言われており、
特にモントリオールのような都会では綺麗な英語を話す人も確かに多い。
しかし一方で英語は苦手・・・という人も結構いた。
モントリオールはフランス語圏だけど英語が通用するから大丈夫なんて言われて
モントリオールを訪れてみたが、確かに英語は通じる様子。
しかし彼等のフランス語訛りの英語を理解する能力は私にはなかったが・・・(苦笑)
島国、そして基本的にひとつの言語しか使わない日本で生まれ育った私、
しかも英語圏以外の土地はあまり訪れたことがないために、とても新鮮、
かつ興味深い経験だった。
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