クルーズ船は洋上のホテル。
普通のホテルにグレードがあるのと同様にクルーズ船にもグレードがありそれぞれ特徴がある。

一般的に船の大きさと費用は反比例。
大きな船は客室数も多く乗客をたくさん確保できることからクルーズ費用を抑えることが可能。
一方で小さな船は乗客数が少ないために負担する額も大きくなってしまうことから
費用は高めに設定されている。
またグレードの高い船ほど乗客と船のクルーの比率が少なく、ゲストへのサービスが行き届くよう計らわれている。


船のグレードごとの一般的なデータはこちら・・・

グレード	大きさ	乗客人数	旅行期間	費用
カジュアル	7万トン以上	2,000人以上	2泊～7泊	$70～/1泊
プレミアム	2.5万～5万トン	500～1,000人	7泊以上	$200～/1泊
ラグジュアリー	2.5万～5万トン	500～1,000人	10泊以上	$400～/1泊
ブティック	1万トン程度	500人以下	10泊以上	$600～/1泊

最近は船も大型化が進みプレミアムクラスの船会社でも8万トンクラスぐらいの船が出ており、全てがこの表に当てはまるとはいえないが、あくまでも標準的なグレード分けとしてまとめてみた。

続いては代表的なクルーズ会社とクルーズのスタイル・・・

【カジュアル船】

船会社	特徴	スタイル
	イタリア老舗のクルーズ会社。イタリア船らしく陽気で明るいカジュアルな雰囲気。 18歳未満の子供が大人2名と同室の場合は無料。	ファミリー カップル シニア
コスタクルーズ
	常に世界最大客船を建造しつづけ、現在保有する２０隻のうち、８隻が１４万トン以上のメガシップ。今年には22万トンの船がデビュー。 船内にスケートリンクやロッククライミング,サーフィンなどができる等、アミューズメントに力を入れ、幅広い層から支持。	ファミリー カップル
ロイヤルカリビアン
	イタリアのクルーズライン。バルコニーキャビンを多様し、スタンダードキャビンまでもベランダ付き。 18歳未満の子供が大人2名と同室の場合は無料。	ファミリー カップル シニア
MSCクルーズ
	マレーシアのクルーズ会社。フリースタイルのクルーズ。ドレスコードもなし、ダイニングもフリースタイルで、好きな時間に好きな場所で食事ができる。寄港地では日本語のショアエクスカーションも設定。日本人向けのサービスが充実	ファミリー カップル
スタークルーズ
	スタークルーズの傘下。フリースタイルのクルーズ。ドレスコードもなし、ダイニングもフリースタイルで、好きな時間に好きな場所で食事ができる。	ファミリー カップル シニア
ノルウェージャン
	ウォルト・ディズニーのクルーズ会社。ディズニーの世界を洋上で楽しめる。エンターテイメントもディズニーならではの充実振り。 子供だけでなく、大人も楽しめるクルーズ。	ファミリー カップル
ディズニークルーズ
服装の目安	タキシードの着用率は約1～2割。男性の多くはダークスーツにタイ程度、女性もワンピース程度が多い
その他	基本的にカジュアル船はファミリー・カップル・ハネムーナー・友達同士、幅広く楽しめる。

【プレミアム船】

船会社	特徴	スタイル
	カーニバルクルーズ（アメリカ）所有の船。サファイア・プリンセスとダイアモンド・プリンセスはで造られたために日本へも年に数回寄港。アラスカクルーズに強い。	ハネムーン ファミリー シニア
プリンセス・クルーズ
	ロイヤル・カリビアンのワンランク上のブランド。食事が美味しいと定評がある。バミューダのクルーズに強い。ゆとりあるスペースを重視。	ハネムーン シニア
セレブリティ・クルーズ
	カーニバル所有の船。136年の伝統を誇る。オランダで創業された会社のため、キャプテンはオランダ人、キャビンスチュワートはオランダ領だったインドネシア人に限定。船の大きさに比べて乗客数を少なくし、ゆとりあるスペースを重視。	シニア
ホーランド・アメリカ
服装の目安	フォーマルデーは男性タキシード、女性イブニングドレスの着用率が高く、カジュアルデーでもスポーツジャケット、ワンピース程度のインフォーマルに近い服装が多い。
その他	比較的１週間以上のクルーズが多いために、時間的にゆとりがあるシニアの乗船が目立ち、落ち着いたクルーズを求める人向け。

【ラグジュアリー・ブティック船】

船会社	特徴	スタイル
	全ての客室バルコニーつき。部屋の広さはクルーズ船では一番の広さを誇る。一番広いスイートは186.1平方メートル。スパはカリタ、ル・コルドン・ブルー観衆のレストランあり。	シニア
リージェント・セブンシーズ
	世界最高峰と言われ続ける客船。大型客船並みのファシリティー、ヨーロッパ流の伝統的なサービス、スタッフのきめ細やかなアテンド。シガー貯蔵庫がありシガー倶楽部を展開。	シニア
シルバーシー
	アメリカの船。バスローブやリネン系はモルトン・ブラウン、ソープはエルメスおよびロクシタン。船上デッキでトライアル・マッサージサービスあり。	シニア
シーボーン
	日本郵船が世界をマーケットに設立したラグジュアリー船。5万トンの船を使用しているが、客数を抑えて細かいサービスを提供。	ハネムーン シニア
クリスタルクルーズ
	クイーン・エリザベスなどを所有したイギリスの伝統船会社。キャビンのグレードによって使えるレストランや設備があり、下のランクはラグジュアリー、上のランクはブティックの格付け。	ハネムーン シニア
キュナード
服装の目安	フォーマルデーは男性タキシード、女性イブニングドレスの着用率がもっとも高く、カジュアルデーでもジャケット着用。
その他	殆どがオール・スイート、オーシャンビューの客室。部屋には専任のバトラーが付く。アルコール・チップなども全て代金に含まれる。食事はフリーシーティング制、相席なし。

【日本船】

船		特徴	価格帯
	日本郵船	日本最大、5万トンの船。大浴場、寿司カウンターあり。トイレはウォシュレット。	5万～20万/1泊
	飛鳥Ⅱ
	商船三井	2.2万トン。食事には定評あり。 2010年に大規模改装予定。	4万～15万/1泊
	にっぽん丸
	日本クルーズ客船	2.6万トン、全室オーシャンビューの客室。子供料金半額などキャンペーンあり。	3万～15万/1泊
	ぱしふぃっくびいなす
特徴		日本船にもカジノは付いているが、日本の法で運行されているため、カジノでは賭けることができない。

ここに挙げた海外の船会社はほんの一部に対して、日本には３隻しか船がなくどの船も中型～小型船のために予約が取りづらい。しかし日本語が通じるという利点、日本からクルーズに参加できればクルーズのために飛行機で海外に行く必要もなく便利というのは魅力。しかし日本語に関しては、日本人スタッフが乗船しているものや、ツアーから日本語の添乗員が同行しているものもあるため、語学に不安がある場合はそのような船を選ぶのもいいかもしれない。

また車椅子利用者の参加者も多く、どの船も車椅子利用者に合わせた客室が用意されており、共有スペースなどは車椅子でも問題なく利用できるよう設計されている。クルーたちも車椅子利用者にはすぐに手を貸してくれるため、欧米人などは「車椅子だからこそ船旅」と考えている人も多くいるという。

ベテラン・クルーザーと呼ばれている人たちは何度もクルーズを重ねた結果、自分のお気に入りの船会社や船を見つけ「結局○○会社の船にたどり着いた」という人たちも多い。好みは人それぞれ、他人の意見が必ずしも自分に当てはまるとは限らないが、掲示板やクルーズ体験記などを読んで自分に合いそうな船を見つけたり、クルーズ・コーディネーターと呼ばれるプロに相談しても良いだろう。